私が水産物の世界で初めて経験した仕事のひとつは、1990年代半ばにロードアイランド州のポイント・ジュディスで行われたトロール漁船での仕事でした。漁期は通常3~5日で、イカやホワイティングを獲るため、学校の休みを利用して漁をしていました。漁獲物の引き揚げ、選別、氷結を繰り返し、帰港時には長い荷揚げを行うなど、昼夜を分かたぬ過酷な漁業でした。しかし、私にとっては楽しい経験でもありました。幸運なことに、有能な乗組員や船長が、魚を捕ることだけでなく、サプライチェーンや収穫物の行方についても時間をかけて教えてくれたのです。しかも、漁に出られるのは、暖かくて海が比較的穏やかな夏だけだったんですよ。

それから20年以上経った今、私は再びイカと向き合い、漁船ではなく、イカのサプライチェーン・ラウンドテーブル(SR)を通じて、世界最大のグローバルバイヤーたちと一緒に仕事をしているのです。SRは、イカ業界のメンバーが協力し合い、イカの取り組みを支援するためのプレコンペティション・プラットフォームとして機能している。 SRのメンバーは現在、Ocean Outcomes、China Blue Sustainability Institute、WWFなどのステークホルダーと協力し、アジアと南米でさまざまな改善活動に取り組んでいます。

SFPは、3月のSENA2018と並行して、次回のイカSRミーティングを計画しています。昨日、SFPは初めて、イカに関するターゲット75セクターレポートを発表しました。この報告書は、持続可能で改善された漁業からもたらされる量の観点から、イカ部門の現在の持続可能性の状況に関する情報を提供し、部門が75%の持続可能性目標を達成する方法を特定するための重要なロードマップとして機能します。また、本報告書の調査結果は、世界のイカ漁業全体における今後の改善努力の優先順位を決定する際にも、SRメンバーの助けとなるものです。

SRが良いアイデアだと考えているのは、SFPの社員だけではありません。SFPの長年のパートナーであるHigh Liner Foods社は、3年前にイカの持続可能性に焦点を当てた北米の輸入業者の会議の進行をSFPに最初に依頼した会社です。このグループは成長し、北米以外の企業とも合併して、最終的にGlobal Squid SRを結成しました。SRの参加企業でSFPのパートナーでもあるBeaver Street Fisheriesは、中国でイカのFIPを追求する最初の企業の1つであり、これが他の企業にも改善の取り組みに参加する門戸を開いたのです。アジアと南米では、パナペスカ社がSRに参加して以来、両地域で複数のイカの改良活動に積極的に関わるようになりました。これらは、持続可能なイカの生産に率先して取り組んでいる企業のほんの一例です。

イカは、マグロやサメのように持続可能性に注目される種ではないかもしれませんが、イカの分野では持続可能性に向けた取り組みが増えつつあります。その多くは、イカの資源に依存する先進的な企業やステークホルダーとの協働によるものです。イカの持続可能性への取り組みが成長・拡大する中で、イカSRやセクターレポートのような装置が有効なツールとなることをSFPは願っています。