新しい年の始まりはいつも新鮮な考えを呼び起こしますが、ここSFPでも2016年に向けて大きな新しいアイディアを持っています。近年、漁業改善プロジェクトが大成功を収めていることは喜ばしいことですが、その一方で、こうしたプロジェクトを積極的に支援している企業にも負担がかかっていることも認識しています。多忙な水産会社幹部が、5つも10つもあるFIPの会議に出席しながら商業的なスケジュールをこなすことは不可能であり、これは将来、何百ものFIPを作成する際のボトルネックとなり得るのです。

忙しい水産会社と何百もの改善プロジェクトを結びつける方法を見つける必要があるという認識のもと、効率を最大化し、改善活動の波を再び起こすための条件を整えるアプローチとして、今年は「サプライチェーン・ラウンドテーブル」に新たに重点を置くことにしました。

一言で言えば、基本的に一流のサプライヤーに、競争前の環境に集まってもらい、さまざまな分野を俯瞰できる円卓会議を形成しようというものです。すでに、ツナ缶、養殖エビ、魚粉など、一般的な水産物を対象とした円卓会議(SR)が設置されており、今後、ニーズに応じてさらに多くの円卓会議を立ち上げていく予定です。現在のラウンドテーブルのリストはこちらをご覧ください。

円卓会議の参加者は、改善プロジェクト(漁業と養殖業の両方)のパフォーマンスを定期的に見直し、進捗が困難なプロジェクトを特定し、軌道に乗せるための措置を講じる。「軌道に乗せる」とは、管理文書などのサプライヤーツールの使用、漁業管理プロセスへの関与、地元組合への影響力、FIP進捗の報酬としての付加価値加工への投資など、さまざまなことを意味します。また、円卓会議では、新たな改善プロジェクトが必要な分野を特定し、生産者に行動を起こすよう促します。

例えば、米国に拠点を置く国立水産研究所のカニ協議会は、持続可能なカニの供給を実現するための改善プロジェクトを支援する貴重な活動をしています。いつかすべての円卓会議が業界主導となり、特定の地域の特定の種類の水産物に共通の関心を持つ企業が知識を共有し、改善活動を支援する、財政的に独立した拠点に発展すれば素晴らしいことだと思います。

持続可能な漁業・養殖業の実現に向けた現在の熱意を世界規模に発展させるためには、水産業界全体で組織化する必要があり、今こそ始めるべき時です。