FIPをうまく運営するためには、多くの計画が必要です。FIPの参加者は、大規模な組織作りや会議のほかに、個人的に多くの実働的な努力をすることが多いのです。

スリランカ産マグロFIPは、その好例と言えるでしょう。先日、FIPの参加企業のひとつであるイギリスの水産会社Le Lienの会長兼創業者であるPeter Stagg氏から、FIPの進捗状況について報告を受けました。

このプロジェクトには、漁業省からFIPに対する国の承認を得ること、ログブック研修の開発、船上オブザーバー・プログラムの開始という3つの初期目標がありました。最初の2つの目標はすでに達成され、PeterはFIPのための最初の海上派遣を終え、水揚げ場でオブザーバーと対面して戻ってきたところです。

スリランカのマグロ漁業には約3,000隻の漁船が従事しており、英国や欧州市場への重要な供給源となっています。この漁業は伝統的な漁法を用いる職人漁師からなる小規模なもので、ここで持続可能な漁業を発展させることは、マグロに依存して生活するスリランカの人々にとって非常に重要なことなのです。

オブザーバー・プログラムは、スリランカ産マグロのような漁業の影響をよりよく理解するために、生のデータを収集する方法を提供するものです。評価の際には、多くの要素を考慮する必要があり ます。漁船は小型で数が多く、スリランカ沿岸に広がっているため、漁師と漁船を追跡するのは困難です。FIPの主催者は、漁師が定期的に遭遇する魚の大きさ、それらの魚が海岸からどのくらい離れた場所で見られるか、漁師と対象種以外の海洋生物との交流や影響について、よりよく理解できるようにしたいと考えています。

しかし、オブザーバーを乗船させるだけでも大変なことで、多くの準備が必要でした。FIPの主催者は、有能なオブザーバーを確保するために、年初に2回のトレーニングセッションと数回のワークショップを開催し、保険や救命いかだ(船上ではほとんど使用できない)の取得も支援しました。Sainsbury'sとLe Lienの代表者が事前に現地を訪問し、これらの取り組みをサポートしました。Peter氏は、オブザーバー・プログラムによって、漁師が水上でいかに責任を持っているかということについて、すでにFIP参加者の信頼が高まっていると報告しています。すべての苦労が報われ始めたのです。

注) SFP/UKバイヤーFIPは、2014年12月に閉鎖されました。